「ページがなかなか表示されない」
そんなサイトから、ユーザーは驚くほどあっさり離れていきます。
実際、Googleの調査(2016年)によると、モバイルサイトへのアクセスの約53%は、表示に3秒以上かかると離脱する可能性が高いとされています。
逆に、Googleとデロイトの調査(2020年)では、表示が0.1秒速くなるだけで、小売サイトのコンバージョン率が8.4%向上しました。
そこで今回取り上げるのは、画像の最適化と、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)の活用です。
CDNとは、サイトのデータを世界各地のサーバーにコピーしておき、訪問者にいちばん近いサーバーから届けて表示を速くする仕組みのことです。
これらは、Core Web Vitals(Googleの表示速度・操作性の指標)のような総論ではなく、今日から実践できる具体的な手法です。
まずは、なぜ画像がそれほど表示速度を左右するのかを見ていきましょう。
ページを重くしている最大の要因は「画像」
HTTP Archiveが公開した2025年版のWeb Almanacによると、トップページ容量の中央値はデスクトップで約2.86MB、モバイルで約2.56MBでした。
このうち画像は、デスクトップで約1,059KB、モバイルで約911KBを占めます。
バイト数で見ると、画像はJavaScriptやフォントを上回り、最大の構成要素です。
つまり画像を軽くすることは、ページ全体の表示速度を改善するうえで、最も費用対効果の高い施策の一つです。
1ページで読み込む画像は、中央値でモバイル15枚、デスクトップ17枚にのぼります。
枚数が多いぶん、1枚ずつ軽くしていけば、ページ全体の容量を大きく減らせます。
今日から取り組める画像最適化の手法
1. 次世代フォーマット(WebP/AVIF)への変換
従来のJPEGやPNGを、WebPやAVIFといった新しい画像フォーマットに置き換えるだけで、画質をほぼ保ったままファイルサイズを大きく減らせます。
WebPはJPEGやPNGより高い圧縮率でファイルを小さくできます。
さらに画像配信サービスのImgixの調査によると、AVIFはWebPより小さくできるとされています。AVIFは2025年時点で主要なブラウザが対応済みで、実用の段階に入りました。
ただしAVIFは、画像を圧縮・変換する処理(エンコード)にかかるサーバー負荷が高いという弱点もあります。ページ上部の大きなメイン画像(ヒーロー画像)はAVIF、それ以外は扱いやすいWebPを優先する、といった使い分けもおすすめです。
2. 適切なサイズ・圧縮・遅延読み込み
フォーマット変換と並んで基本になるのが、表示サイズに合った画像を用意することです。
たとえば横幅800ピクセルの領域に、4000ピクセルの写真を読み込ませていては、いくら圧縮しても無駄が残ります。表示する大きさに合わせてリサイズし、そのうえで圧縮をかけましょう。
あわせて有効なのが、lazy loading(遅延読み込み)です。
画面にまだ映っていない画像を、スクロールで近づいたときに読み込む仕組みで、最初の表示に必要なデータ量を抑えられ、表示の体感速度も上がります。
3. CDNでユーザーの近くから配信する
画像そのものを軽くしたら、次は「届け方」です。
たとえばデータが東京のサーバーにしかないと、海外からのアクセスは遠回りになって時間がかかります。CDNで近くのサーバーから配信できれば、その待ち時間を短くできます。
物理的な距離が縮まることで、通信の遅れ(レイテンシ)が減り、表示が速くなります。
また、アクセスが各地に分散されるので、オリジンサーバーの負荷も軽くなります。
表示速度の改善は、直帰率(1ページだけ見て離脱する割合)の低下や滞在時間の増加につながり、間接的にSEO評価の向上にも寄与します。
主な高速化手法の早見表
| 手法 | 主な効果 | 難易度の目安 |
|---|---|---|
| WebP/AVIF変換 | 画像容量を大きく削減 | 低〜中 |
| リサイズ・圧縮 | 過大な画像の無駄を排除 | 低 |
| 遅延読み込み | 初期表示データ量を削減 | 低 |
| CDN配信 | レイテンシ削減・負荷分散 | 中 |
速度は劣化する
見落としがちなのが、表示速度は一度改善すれば永遠に保たれるものではない、という点です。
運用を続けるうちに、プラグインが増え、画像が積み重なり、外部スクリプトが追加され、速度は少しずつ落ちていきます。
だからこそ、最適化のあとも継続的にサイトの状態を監視し、異変に早く気づける体制を整えておくことが大切です。
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まとめ
やるべきことは多く見えても、一度に全部そろえる必要はありません。
まずは、ページの中でいちばん重い画像を1枚、WebPやAVIFに変換してみてください。
それだけでも、読み込みは目に見えて軽くなります。
大切なのは、速くした状態を保ち続けることです。速度は運用のなかで少しずつ落ちていくので、定期的に測り、落ちてきたら早めに手を打てるようにしておきましょう。
